台風のニュースが心配された午後の七尾、今日は
石川県七尾美術館アートホールに向かいます。美術館前の
銀杏並木は黄色く色づき、
桜並木の葉はいつの間にか赤く紅葉していました。秋です。
昨年の1月から1年4カ月にわたり
日本経済新聞朝刊で連載された小説「等伯」が単行本として出版されました。これを記念して等伯の故郷、七尾で
作者の安部龍太郎氏と挿絵を担当した西のぼる氏の
スペシャル対談「画聖・等伯を語る」
が企画されました。入場無料です。
まずは、
西画伯の
水墨画屏風、若松の松林図の最後の仕上げを公開で行います、さらに
安部氏が詩、
清春来復
残雪静掃
を書きあげ完成です。震災からの復興を若松に託し、春はまた来る、残雪はそれとともに消えていくという詩の中に復興への決意が示されます。そして「清」と「静」に等伯に関連した二人の女性の名も埋め込まれています。
日本経済新聞社で、この小説を担当した
関記者の司会で、気心知れた三人が等伯像を語ります。
戦国武将の側からではなく、絵描きの側からの当時の文化を描いた視点が秀逸です。そして、等伯の絵に影響を与えた当時の七尾の畠山文化、海運の要としての経済力も示されます。松林図が人々の世界観を変えたのならば、この小説も世界観を変えるに違いない力作のような気がします。
最後に、この単行本
「等伯」(日本経済新聞出版社)にサインをいただきました。ありがとうございました。