今日も地元で文化な午後です。
七尾サンライフプラザ大ホールを会場に
長谷川等伯 第2次ふるさと調査シンポジウム
の聴講です。2010年の長谷川等伯没後400年忌に計画されたふるさと調査。第1次では多くの新発見を含む成果を見ました。昨年度から始まった
第2次調査を踏まえての調査団からの中間報告会です。
この調査は、地元、
のと共栄信用金庫の大きな社会貢献事業でもあります、同行の
ふるさと文化応援定期預金『等伯』の利息の一部を含む大きな支援で成り立っています。初めに、
大林重治理事長は
地域の振興と誇りのために画聖・等伯をもっと知る必要性を語ります。
【基調講演】『見えてきた前田家との関係』
講師:嶋崎 丞氏[団長/石川県立美術館長、県七尾美術館長]
今調査での新発見として、等伯の父、宗清が描いた
『日蓮上人像』が高岡市・妙傳寺に見つかったこと、金沢市の桃雲寺像の前田利家夫人の
まつの肖像画は、他の等伯の肖像画の特徴を多く持ち、きわめて等伯作である可能性が強いことなどが示されます。
そして、生家の主君、畠山家を滅ぼした上杉が統治した七尾を畠山時代の統治に戻した前田家とのかかわりが大きくなる必然性を示唆します。
【パネル討論】『信春に影響を与えた人々』
コーディネーター:東四柳史明氏[副団長/金沢学院大学教授]
パネリスト:嶋崎 丞氏
宮島 新一氏[顧問/日本美術史家]
北 春千代氏[石川県立歴史博物館学芸主幹]
和田 学氏[七尾市史編纂室次長・学芸員]
北原 洋子氏[石川県七尾美術館学芸担当次長]
各研究者から、等伯の絵に描かれている武将・僧・人物を追うこと、肖像画の真の人物を推論すること、実際の墓碑・古文書をあたることなどから、歴史ミステリーさながらの新鮮な歴史観が登場します。
たとえば、等伯が描いた鬼子母神の絵の隅にいる女性は、スポンサーであり神保氏に嫁いだ織田信長の妹であり、その人物がその後の等伯と戦国武将との関係を取り持っただろうことが、等伯の書いた肖像画から推察されます。
脳の日ごろ使わない部分を刺激していただきました。ありがとうございます。