厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会・社会保障審議会医療部会から12月3日付で
平成20年度診療報酬改定の基本方針
が出されています。
社会保険診療報酬は、われわれ病院にとって収入の柱であり、その動向は極めて関心のあるところです。しばしば、政策誘導に使われ、国会で審議される医療法や健康保険法以上に政府の意向が反映されることになります。直近では、診療報酬制度上決まった7:1看護基準の導入が全国的な看護師不足を起こしたことは記憶に新しいところです。
基本方針は
【緊急課題】
産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担の軽減
【4つの視点】
(1)患者から見て分かりやすく、患者の生活の質(QOL)を高める医療を実現する視点
(2)質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点
(3)我が国の医療の中で今後重点的に対応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点
(4)医療費の配分の中で効率化余地があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点
で構成されています。
質の高い医療を安く(効率的に)提供という基本的方針は変わっていません。日本の医療が崩壊の危機に瀕している中で、この崩壊へ流れを止めることができるのか?ということになります。
産科・小児科の重点評価、診療所の夜間診療、秘書業務に特化した病棟クラーク、情報開示、分化・連携、在宅医療推進、重点疾病対策(がん、脳卒中など)、IT化などがキーワードになりそうです。
薬価(薬の公定価格)を下げ、後発薬品を使うことで浮いた原資をどう使うかが中心であり、思い切った抜本的に日本の医療を見直す機運はまったく見当たらないようです。