神野正博のよもやま話

京都～大阪～東京～札幌～桑名と移動：病院のBCM/BCP、2つの災害とDX、ローターー2630地区地区大会

　5日昼に、病院を経ち、ロードに出ます。まず、京都です。京都駅に着きちょっとだけ時間があったので、金木犀薫る東寺にやってきました。ここは、観光客もそんなに多くないマイ穴場です。紅葉までもう一歩ですが、静寂の中、深呼吸です。　そして、18時から四条の京都市立病院協会の会議室で、
　京都私立病院協会2025年度保健医療管理者養成講座で3時間の演習と講義です。4月から3月まで、なんと毎週水曜、土曜に加盟病院の幹部候補生が学習する1年間のプログラムです。私は、
　災害に対する病院のリスクマネジメント
を担当します。受講生から意見をたくさんいただき、インタラクティブな講義です。　そして、夜に大阪に移動。6日朝から大阪国際会議場を会場に
　第33回日本慢性期医療学会
の開会式に全日本病院協会会長として列席です。

　新たな地域医療構想における慢性期病院のあり方など興味津々ですが、財務省の財政制度審議会財政制度分科会の資料公開（リンク）もあり、緊急案件ということで開会式の後、予定を早めて東京へ向かいます。東京では国会議員会館で某議員、財務省官僚と意見交換です。　7日朝には、北海道に移動です。晴天の千歳からみぞれの札幌に移動し、札幌で今年、新築オープンしたばかりのカレス記念病院を会場に
　第24回日本医療経営学会
にお邪魔します。開会前に、旧知のカレスサッポロの大城理事長に知恵と工夫がいっぱい詰まった病院を案内いただきます。全室を差額なしの個室にしても経営が安定する秘密を探ります、学会長は仲良しの中林　梓さんです。招待講演で私は、２つの災害への対応策について病院経営の視点からお話しです。　講演後に、雪模様となった北海道を後に、中部国際空港に向かいます。何と、札幌日帰りとなります。8日朝から、ロータリーの公共イメージコーディネーター業務となります。桑名市で開催の

　国際ロータリー第2630地区地区大会

に出席です。現在、玉野秀美・地区ガバナーは、日本34地区の現役ガバナーで唯一女性です。また、18年前に日本初の女性ガバナーとなった田中稔子パストガバナーと同じクラブ所属です。
　この大会のゲストは、私と中曽根牧子・第5280地区パストガバー・グレンデールRC（USA)です。3人の女性がバーがそろいます。
　私から1日目には、もともと三重、岐阜、富山、石川は第361地区として同じ地区だったご縁をお話しします。ロータリーファミリーの素晴らしいスピーチと愛工大名電高校の日本一の吹奏楽を楽しみます。1日目の大晩餐会では、300人以上のロータリー会員と触れ合い、ソプラノ独唱で格調高く幕を開け、りんごちゃんのショーの後、ガバナーとホストクラブによるたくさんの心のこもった手作り出し物で大盛り上がりです。

　そして、2日目には
　RISE with RORTARYのための公共イメージ向上
と私の基調講演でした。中曽根パストガバナーの記念講演では、自身のロータリー財団奨学生としての留学経験、アメリカでの職業体験とロータリー入会後の活動を紹介です。能登半島地震支援では、アメリカからロータリー財団グローバル補助金、職業訓練事業VTTで、輪島塗の若手職人さんをロサンジェルスののデザインラボへご招待いただいています。

　そして、感動のフィナーレを迎えます。２日間、ありがとうございます。

新たな地域医療構想に向けて～『QOL VIEW』11月号など

　4日5日は晴天の七尾です。いつの間にかまさに錦秋となりました。震災復旧最後の3病棟周辺外構工事も佳境、3病棟の1階本部前のたくさんの物資が行き来した廊下の絨毯も張り替えです。　月刊『QOL VIEW』2025年11月号（2025.No.5）が届きます。今回も表紙にはお知り合い多数です。連載中の『Kanno's Perspecive 医療政策・経営時評』の第4回は

　新たな地域医療構想の議論スタート

です。2020年の三位一体の改革案を振り返りながら、急性期拠点機能のイメージはかなリクリアになりつつありますが、幅が広いはずの高齢者枚急・地域急性期機能の議論の必要性を語ります。

詳細は本誌をご覧ください。

　さて、先日、東京都内で乗ったバスの中吊り広告に東京消防庁からの広報でした。

　何でも屋じゃありません。私たち、救急です。

です！これから増える、要介護高齢者＝病院へ通えない高齢者の救急需要の増加への警告です。この人たちの、医療需要にどうこたえるのか？送迎か？訪問か？オンラインか？それとも集住か？特に夜間・祝日の対応は？

　こちらも新たな地域医療構想を議論する上での重要な視点です。

厚労大臣への要望、維新の会との協議、そして医師偏在～全国自治体病院学会

　29日朝七尾を出発、昼に、厚生労働省の大臣室にお邪魔して、上野賢一郎厚生労働大臣に、四病協からの「病院医療提供体制を維持し地域医療を確保する為の要望書」を手交です。早急な補正予算による支援、診療報酬改定率のアップ、そして診療報酬にかかる消費税の抜本的見直しの3点の要望です。　その後、夕には再び下り新幹線に乗り、高崎です。自治体病院協議会の
　第63回全国自治体病院学会 in 群馬
に日本病院団体協議会副議長、全日本病院協会会長としてご招待いただきます。
　前夜祭では、高崎ダルマの絵付けライブショーを楽しみます。そして、30日に広大なGメッセで開催された学会では、開会式で登壇です。学会長講演で、望月　泉会長から自治体病院の経営の問題点をお話しです。要望事項の中に交付金などの補助金増があるところは、私たち民間病院と異なる論理です。
　午後からは、
　臨床医学部会　シンポジウム　地域（地方）における医師偏在対策
にシンポジストとして参加です。一般聴衆は少ないのですが、通が集う玄人好みのシンポとなりました。私は総論のほか、特に「過疎地・人口減少地域における医療のかたち」について提言です。
　終わるや否や東京に戻り、衆議院議員会館です。日本維新の会の梅村　聡幹事長代理・税制調査会会長と「自由民主党・日本維新の会　連立政権合意書」をなぞりながら、特に若者の保険料負担低減策の具体を協議します。　さて、31日は、朝6時30分から京王プラザホテルを会場に、伝統ある東京青年医会早朝勉強会の講師として
　”病”院をぶっ壊せ～病院の持続可能性を考える
と題して質疑応答込みでたっぷり2時間の講演です。われらの安藤たかお衆議院議員も駆けつけてくれました。

　その後、お台場に向かいます。道中、江戸情緒の豊洲千客万来に立ち寄り、お昼、そして東京ビッグサイトです。ビッグサイトは大変な人出です。ここで
　Japan Mobility Show
です。ここの全展示場を使っていつものあの車から華やかな未来の車、そしてmobilityを堪能します。ここへ行った目的である竹中工務店が提案するトレーラーハウスによる能登復興支援プロジェクトの説明を受けます。能登半島地震の復旧工事の折に恵寿の駐車場にいたモビリティとも再会です。

　またまた、都内を移動、最後は日本医師会館で松本吉郎日本医師会会長と全日病ニュースの巻頭対談の収録です。医療機関の経営状況は勿論のこと、医療費の構成要素たるP（診療報酬）もさることながらQ（量）を軸について話し合います。地域医療構想における急性期拠点病院のあり方、都市部の医療と過疎地の医療のあり方、オンライン診療などで話が弾みます。ありがとうございます。

地域の復興と存続～ロータリー地区大会と第120回社会保障審議会医療部会

　週末は、KOMATSUの小松をベースにします。

　25、26日は、国際ロータリー第2610地区地区大会です。小松市団十郎芸術劇場うららと新築のウレシャス小松を会場に小山英一ガバナーの思いがこもった地区大会です。たくさんのゲストと能登の復興、ロータリー事業の継続性を語り合います。能登半島に何回も入り、地震からの復興事業に取り組んでいる女優の常盤貴子さんとのトークセッションもあります。

　そんな素晴らしい大会ですが、なんと私のスケジュール管理の悪さで名古屋と東京に半日日帰りが入ります。。。25日は名古屋のTkp名古屋駅前カンファレンスセンターを会場に、総務省東海総合通信局と東海地域の医療機関における電波利用連絡推進協議会との共催の
　災害時における医療機関の電波の安全確保に関する講演会＜南海トラフ地震を想定した病院IT-BCPを考える＞（リンク）
にお呼びいただき、
　令和6年能登半島地震におけるBCM/BCPについて
と題して私の講演です。私の講演の後、
　南海トラフ地震における高知県の対策
として高知大学医学部　危機管理医療学講座の西山　謹吾特任教授らの講演が続きます。会場の他にオンデマンドで内容を配信予定とのことです。
1時間の講演の後、とんぼ返りで小松に帰ります。　さらに、26日は、東京・秋葉原コンベンションホールを会場に、日経BP社主催の
　日経ヘルスケア　医療マネジメントセミナー2025 Autumn

　縮小ニッポンを乗り切る病院経営　～2026年度診療報酬改定を見据えた戦略とは（リンク）
で、病院経営戦略をお話しです。人口減時代の戦略はこれまでと同じはずがありません。

　そして、週初めの27日は、午後14時からオンラインで、厚生労働省の
　第120回社会保障審議会医療部会（リンク）
に参加です。議題は、
　1. 医療機関の業務効率化・職場環境改善の推進に関する論点について
　2. 医療法人の経営状況について
　3. 令和８年度診療報酬改定の基本方針について
というこれからの医療体制に重要案件となります。1では、業務の効率化と医療従事者の確保についての議論です。私からは、人がいない中でDX等により業務効率化と人員配置基準と要件の緩和が必須とお話しします。委員からは、日本の医療分野の生産性の低さは、低く抑えられている公定価格にあることや統制経済から規制緩和が業務効率化の柱であることなどが指摘です。さらに、私から看護師養成校の定員割れと経営悪化に対して、地域の医療従事者の確保のための存続の重要性を語り、補助金の増額やサテライトなどによるオンライン教員の活用の必要性を指摘します。また、委員からも同様な地域の存続のための視点が重要であることが主張されます。

　また、2，３の一括審議では、私から補助金をもらっていない民間医療法人経営悪化もまた地域の存続にかかる事案として、診療報酬改定の基本的視点の最重要課題として指摘です。また、高市総理の所信表明演説「赤字に苦しむ医療機関や介護施設への対応は待ったなしです。診療報酬・介護報酬については、報酬改定の時期を待たず経営の改善及び従業者の処遇改善につながる補助金を措置して効果を前倒しします。」を引用して、力強い支援を求めます。さらに、今回の経営調査から前回の診療報酬改定における補填不足への対応も求めます。

徳充会創立40周年、高市早苗新内閣、そして「医療のトリセツ」アップデート

　10月19日付の読売新聞石川地域面「トップが語る」で、　DXで効率的な医療
として、私の登場です。丁寧に取り上げていただきました。　21日の午後、震災の足跡から復興途上の青山彩光苑を会場に、
　社会福祉法人創立40周年記念の植樹式典
を実施です。ヒメユズリハと金木犀を園地に植樹します。　40周年の記念サイト（リンク）とYouTubeで40周年記念動画を公開です。これまでの地域からのご支援に感謝です。

　そして、この21日には、難産の末、高市早苗新総理が誕生し、新たな自由民主党・日本維新の会による連立内閣の誕生です。

　自民と維新の連立政権合意文書（リンク）にも注目です。私的には、社会保障政策で、

• OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し
• 中央社会保険医療協議会の改革
• 真に公平な応能負担の実現
• 国民皆保険制度の中核を守るための公的保険の在り方及び民間保険の活用に関する検討
• 医療機関の収益構造の増強及び経営の安定化を図るための医療機関の営利事業の在り方の見直し
• 医療機関における高度医療機器及び設備の更新等に係る現在の消費税負担の在り方の見直し
• 昨今の物価高騰に伴う病院及び介護施設の厳しい経営状況に鑑み、病院及び介護施設の経営状況を好転させるための施策

あたりに注目です。

　そして、

　祝　松本　尚　デジタル大臣就任
　2期目ですが、防衛大臣政務官、外務大臣政務官に続きデジタル相就任です。中高の後輩として、金沢大学第2外科同門として、恵寿総合病院外科OBとして、そして友人として祝意です。ニューレジリエンスフォーラム事務局長として、高市早苗総理と同じ国家間を大きく主張、提言してきました。
　写真は、22日の地元紙・北國新聞朝刊です。私のコメントも掲載されています。

　『日本在宅救急医学会誌』第8巻（2025）第1・2号合併号（リンク）が公開です。特集は、「令和6年能登半島地震」です。16人もの関係者が寄稿です。私も、　
　令和6年能登半島地震を振り返って
　想定外を想定せよ ～震災でも医療を止めなかったBCM/BCP～
を投稿です。編集長を務めたDC-CATとして能登を支援いただいた山岸暁美さん、ありがとうございます。お疲れ様です。

詳細は本誌をご覧ください。

　本日、全日本病院協会会長として、国民向けにYouTubeにシリーズ「医療のトリセツ」の最新版をアップしました。

　第3回「社会が変わる　～日本の人口の将来推計と課題、課題解決は」（リンク）
　第4回「知っておきたい医療機関の仕組み　～医療の機能文化って」（リンク）